2008年3月11日火曜日

ゲームと広告②「虚構と現実」

「ゲームと広告」特集、2日目の本日は、
全米で社会現象になった犯罪系ゲーム「GTA」の事例。



ご存知の方も多いかと思いますが「GTA」とは
「Grand Theft Auto」の略称で日本語に訳すと
「車両窃盗罪」という意味だそうです。
このゲームは「クライムアクション」というジャンルのゲームで
他人の自動車を盗みながら、様々なタチの悪い犯罪に
手を染めていくという内容です。




このゲームはアメリカはおろか日本でも「R指定」を受ける
超極悪系ゲームで「銃乱射事件」の犯人も犯行に及ぶ直前に
このゲームで遊んでいたことでさらに話題になりました。

私自身も昨年末にひたすらこのゲームのPSP版である
「リバティーシティ」と「バイスシティ」の2本をやりましたが、
その当時ゲームをしていない時、つまり日常の
「街を歩いている時」などにも
「どの車を盗もうかな」などの考えが一瞬よぎって
「はっ、いかんいかん」となるくらいに
「虚構と現実」の区別があいまいになりました。
半分冗談ですが、半分は本当です。

そのくらいGTAは感情がゲーム世界に入り込むくらいの
影響力をもったゲームだと思います。
このゲームをやっている最中に、
よく妻に「顔がこわい」と言われましたし。

GTAはアメリカ国内ではある意味「文化」の域まで達していて
YouTubeで調べたら「GTA」をテーマにしたくだらない映像が
複数ありましたので、その中から個人的に好きなものを
2本ご紹介しますので、ご覧ください。
(1本目の映像は47秒です)





単純にビックリしませんでしたか?
「GTA」をやったことがある人ならわかると思いますが、
この映像をつくった人は、相当なヒマ人(イイ意味で)ですよね。

次にYouTubeにあるGTA系の映像で
最もアクセス数が多かった映像です。
これもGTAをやったことがある人ならわかると思いますが
超人的にスゴイ技のオンパレードですし、
どんだけヒマ人なんだよ(イイ意味で)という感じがする事例です。
(2分56秒の映像です)




↑このワザなど、あまりにくだらな過ぎて、そしてスゴ過ぎて
 爆笑してしまいました。

そんなGTAですが、昨年ナイキでおなじみの
ワイデン&ケネディ社がコカコーラのCMモチーフに
「GTA」を使用した事例をご紹介しますのでご覧ください。
(1分の映像です)





極悪人である主人公が「コカコーラ」を手にすることで
実際の「GTA」とは「正反対」の「良い行い」をしまくるという内容。
「GTA」が「超極悪ゲーム」であるという社会的な「コンセンサス」が
あるからこそ成り立つ表現手法です。

ここまでが前フリで、ここからが本日のテーマ「虚構と現実」です。
このGTAの「バイスシティ」の中に、実在するアメリカ人の
超大物歌手「フィルコリンズ氏」が登場します。




私はGTAに「フィルコリンズ」が出ることを
知らずにプレイしていたので「フィル氏」が出てきた時は
ぶったまげました。しかもちょっと「悪いやつ」な感じでしたし。

現実の社会において良く知っている「フィルコリンズ」が
「虚構」と思い込んでいたゲームの中に登場したことで、
「脳内の壁」が「不思議な感じ」で「破壊」された感じがしました。

しかも主人公である私自身がフィルコリンズを銃撃戦から守って、
ちゃんとコンサートをやり切るために
様々なフォローをするのです(赤丸が、隠れるフィル氏)。


ゲームではありませんが以前ミュージシャンの「山崎まさよし氏」の
楽曲の中の歌詞の途中に「♪桜木町で~」というフレーズがあり
ビックリしたことがあります。
あらゆる楽曲の「歌詞」というのはとかく「抽象的」な概念のものが
多いと思っていましたが「桜木町」という私たちが現実に暮らしてる
世界における具体的な「固有名詞」である地名が「歌詞」という
「虚構」と思い込んでいた世界に登場したことで
異様なインパクトを生んでいました。
虚構と現実が地続きになる瞬間には、
不思議な覚醒感がある様に感じます。

この事例と、ある意味似ている事例が昨日の重要資料の
アドプレイン「川村氏」のインタビューの中にも出てきた
「ファイナルファンタジー」の回復アイテム「ポーション」を
サントリーが実際に商品化して発売した事例だと思います。




現実に存在するものが、ゲームの中に登場するという
事例は多いと思いますが、その「逆」に元々ゲームの中に
存在するものが、現実社会に登場するという
ある意味、裏をかかれてイイ意味で虚を突かれる
事例だと思いました。「やられた感」がありました。
当然ゲーム好きである私も発売日に買いましたし、
(若干高かったです)空き瓶は今でも記念に部屋に飾ってます。

「虚構と現実」の「壁」を「破壊する」という手法は
人間の脳に対して「不思議な心的力学」を生む感じがして
うまく運用・活用すれば(悪用は絶対にいけませんが)
大変効果的なマーケティング手法になると思います。
(現在でも既に有効活用している事例はあると思いますが
今以上にポテンシャルがある気がします)

ちなみに「虚構と現実」つながりですが「Game*Spark」
というゲームブログでスゴイ情報をゲットしたので取り上げます。
【米軍,Xbox360のコントローラーで操作可能な無人車両を開発】
↓Game*Sparkより
http://www.gamespark.jp/modules/news/index.php?p=5169

「天才ゲーマー」が戦車を操るという説もあるそうです。
なんかスゴい事例だと思いませんか?
ここまでくるとヤバイ感じがする事例です。

明日は「実体験型ゲームと広告」についてです。

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