2008年10月16日木曜日

破壊理論/ディスラプション④TAG Heuer

ディスラプション特集、4日目の本日は
高級スポーツウォッチ「タグホイヤー」と
航空会社や映画館などでおなじみの
「ヴァージングループ」という
2つの事例を取り上げさせて頂きます。

まずはタグホイヤーの事例から。



TBWAが広告を担当する前からタグホイヤーは
素晴らしいスポーツウォッチとして知られていました。
しかし単なるスポーツウォッチであって、
「高級時計」ではありませんでした。

タグホイヤーは、ブランドの「ステイタス」を上げるために
スポーツが体現できる様な「新しい視点」を
開発する必要がありました。

残念ながら映像資料が無いのですが、
TBWAは、様々な一流アスリートが、例えば陸上競技の
「ハードル」が「カミソリ」になっているなどの
大げさに例えられた競技をするというCMを制作。
有名なスポーツ選手が偉業を成就するために必要な
恐ろしいほどの集中力や自己抑制を衝撃的に表現しました。

この広告キャンペーンの成功によりタグホイヤーは
スポーツブランドはラグジュアリーブランドになることができる
ということを示しました。

タグホイヤーは自らにビジョンを与えることに成功したのです。

この広告キャンペーンによりタグホイヤーは結果、
売上を倍以上に伸ばしたそうです。

【現在のタグホイヤーの広告(TBWA制作では無い?)】


以下、タグホイヤーのディスラプションブリーフ。

【TAG Heuer】
Convention:Luxury brands need to use identifiers
         like wealth and status to symbolize prestige.
Disruption:Enchance the prestige of sports to
         enchance the status of the brand.
Vision    :With TAG Heuer,sports prestige is
         a question of mental strength.

【タグホイヤー】
コンベンション :品富と名声を象徴する高級ブランド。
ディスラプション:スポーツにおける「存在感」を増すことで
          ブランドのステータスを上げることが出来る。
ビジョン   :タグホイヤー、スポーツは精神的な強さの問題だ。


次の事例は、冒険家としても有名な天才経営者
「リチャードブランソン」率いる複合企業グループ
「ヴァージングループ」の事例。



【Richard Branson】


ヴァージングループは「レコードレーベル」から始まって
「航空会社」「携帯電話」「映画館」そして「コーラ」など
一貫性の無い業界へブランド拡張をしていったのに、ほとんどの業種で
大成功した(コーラは大失敗)珍しい事例ですが、
これだけバラバラの業種をイメージ上まとめ上げるには
「ビジョン」の表明が必要だったのだと思います。

ヴァージングループは、社長のブランソン自身のビジョンである
「決まりきった方法」や「固定概念」と戦うことを決意した
実力ある偶像破壊的な男のビジョンを訴求しています。

以下、ヴァージン「メガストア」のディスラプションブリーフ。

【ヴァージンメガストア】
コンベンション:新装小売店のコンセプトは選択肢の広さ、価格、
        サービスといった実体のあるものに焦点を絞るべき。
ディスラプション:バージンに「実体のある保証」ではなく、
          「感情的な役割」を与える。
ビジョン     :バージンはレコードストアではなく
          「文化の殿堂」だ。


以下、本日のカット&ペースト。
知識は結局は誰にでも利用可能なものだ。
知識からアイディアに飛躍する直感だけが、
あなた独自のものなのだ。

ディスラプションは、コンシューマ・インサイトに基づく。

消費者を巻き込むためには、
彼らの「意外な真実」を見つけ出すことである。

それらを白日の下にさらすには、
日常生活を作り上げている小さなことに気を配り、
注意していなければならない。人々が共有している考え方、
行動の仕方、感じ方を探さなければならない。
探偵的姿勢を身につけるのだ。

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